【地上30mで地獄の救助訓練!】消防学校の生活・6月編その②【降下・登はん・渡過】

マツナガ
マツナガ

こんにちは、マツナガです!

   

この記事では、私が20年ほど前に消防士に某消防本部の消防士に採用され、某都道府県の消防学校に入校して卒業するまでの7か月間を、当時の訓練日誌などの内容を基に記載していこうと思います!

今回は、6月中の救助訓練で行われる、地上30メートルでの降下・渡過訓練、登はん訓練の内容について、具体的なエピソードを交えながら解説していきたいと思います!!

消防士になりたい人や、これから消防学校に入校する人、消防学校の生活に興味がある人などの参考になれたら幸いです。

それでは、早速やっていきましょう!

今回の記事はこのような人に向けて書いています

・消防士になりたい人

・消防士に内定していて、消防学校に入校が決まっている人

・消防学校の生活に興味がある人

前回の記事はこちら👇

消防学校に持っていくべきアイテムはこちら👇

注意
この記事の内容は、20年ほど前の、某都道府県の一消防学校での体験を元にしています。現在の消防学校の教育・指導・生活とは異なる部分がありますので、ご留意の上ご覧ください。

救助訓練

必要レベル(最高☆5・最低☆1・いずれも6月時点) 
必要体力レベル ☆5
必要技術レベル ☆4

救助訓練は、6月に入ると急激にレベルが上がる。

今まで訓練してきたロープワークなどの技術や体力をフル活用しなければこなせない訓欄が出てくるからだ。

特に今回説明する渡過・登はん・降下訓練は、消防学校の訓練の中でも最難関の一つだ

渡過訓練

渡過訓練とは、災害現場と隣接建物等との間又は河川の中洲等と河岸との間などにロープを展張し、要救助者を救助するための訓練である。なお、渡過操法には、セーラー渡過操法、モンキー渡過操法及びチロリアン渡過操法がある。

出典:訓練時の安全管理マニュアル(消防庁)

渡過訓練とは、建物と建物の間などに張ったロープを渡る訓練で、セーラー・モンキー・チロリアンの3種類がある。

自分の消防学校では、地上30メートルの訓練棟があったので、その上に渡過訓練用のロープを張って実施した。

コイル巻きもやい結びで命綱はしているし、落ちても大丈夫なようにネットが張ってあるとはいえ、

地上30メートルなのでめちゃめちゃ怖い。

下を見るだけで足がガクガクとしてくる。

自分の動かす手と姿勢の制御に集中し、目線は下を見ないで、まっすぐゴール地点を凝視するのが恐怖感を感じないコツだ。

セーラー渡過

出典:訓練時の安全管理マニュアル(消防庁)

自分は3種類の渡過訓練の中でセーラー渡過が一番得意だった。

足、体、腕でバランスが取れるし、自重をロープに預けられるので、一番体力を使わないで済むからだった。

ちなみに、セーラー渡過は訓練棟間の20メートルロープを3回渡らされた。

最初の1回は普通に渡らせてくれたのだが、2回目以降は渡過中に教官の無理難題が飛び出し始める。

自分も2回目の訓練で、ロープを渡っている最中にいきなり教官に止められた。

教官
教官

止まれ!

両手を伸ばして飛行機のマネをしろ!!!

        

    

マツナガ
マツナガ

ぶ、ブーンブーン!

        

マジでこのAAのとおりである。

地上30mでセーラー渡過をしながらブーンの真似など、恐怖以外の何物でもない。

ちなみに、体力的に優れている学生には、

教官
教官

突風だ!耐えろ!!!

    

と教官が言いながらロープを揺らすというオプションがついており、非常にエキサイティングである。

マツナガ
マツナガ

ロープから落ちてしまったら、命綱をしているから自分で復帰しないといけないよ!命綱で腹が締め付けられるので、めちゃめちゃ苦しいです。

体力が尽きてしまって動けない時だけ、教官が助けに来てくれます。

       

モンキー渡過

出典:訓練時の安全管理マニュアル(消防庁)

私はモンキー渡過が一番苦手だった。

上手な人はすぐにできるのだが、上手いロープの蹴り方や手の進め方が全くわからなかった。

ふくらはぎにロープが食い込んで痛いし、手は握力が無くなるしで、結局一度も渡り切れずに落下して、教官に助けてもらった記憶しかない・・・。

チロリアン渡過

出典:訓練時の安全管理マニュアル(消防庁)

チロリアン渡過も非常に苦しかった。

セーラー渡過やモンキー渡過と違って、ロープ上から落ちる心配はないのだが、腕しか使えない。

20メートルのロープを3往復しなければならないのだが、2往復くらいで手がパンパンになり、ほとんど動かなくなってしまった・・・。

3往復目で数十センチずつモタモタ渡っていると、

教官
教官

さっさと渡れ!このナマケモノ野郎!!!!

      

という、どこからそんなボキャブラリーが出てくるんですかね?的な罵倒を受けたのを憶えている。

訓練日誌(6月〇日)

今日の訓練では、2グループに分かれてチロリアンと登はんを行いました。自分はチロリアンの班で、訓練棟の間を3往復しなければならなかったのですが、2往復ほどしてから手がほとんど動かなくなってしまい、体勢も崩れてきて、少しずつしか進まなくなってしまいました、しかし、他の仲間の応援で、何とか渡りきることができました。今日は何とか渡りきることができましたが、次のセーラー渡過やモンキー渡過訓練が心配です。

登はん訓練

登はん訓練とは、その名の通りロープを使って壁を登っていく訓練である。

フットロック登はんと自力登はんの2種類の方法がある。

消防学校では7メートルの訓練棟を、両方の方法で登らなくてはならない。

難易度としては、腕しか使えない分、自力登はんの方が圧倒的に高い。

フットロック登はん

出典:訓練時の安全管理マニュアル(消防庁)

フットロック登はんは、左足の甲と右足の底でロープを挟んで固定し、固定している間に腕を伸ばして登っていく登はん方法である。

文字通り、足でロープを「ロック」して登る方法だ。

足と腕の両方を使って登ることができるので、コツをつかんでしまえばスイスイ登ることができる。

自分はあまり体力的に優れている方ではなかったので、2回しか登れなかったが・・・。

マツナガ
マツナガ

フットロックは登れると達成感があるので、意外と楽しかったです。

     

自力登はん

出典:訓練時の安全管理マニュアル(消防庁)

自力登はんは冗談じゃなくキツイ!

体力的な辛さもあるが、精神的な辛さでは消防学校で経験した訓練の中で一番だった。

自力登はんは足を使うことができないので、自らの腕2本の力だけで登っていかなくてはならない。

そして、下で補助員役の学生が命綱を確保しているので、一旦登り始めると、自力で降りることはできない。

つまり、登っている途中で力尽きてしまうと、宙吊りになってしまうので命綱が胴体に食い込んでとてつもない苦痛を味わうことになる。

当然、降ろしてよいかの判断は自分や補助員ではなく教官が行う。

いよいよ訓練が始まったが、続々とクラスメイトが力尽きて宙吊りになっている。

体力自慢の班員Aも5メートルくらいで力尽きているのが衝撃だった。

A
A

お、降ろしてください・・・・・・。

     

とうとう自分の自分の番になったが、Aが5メートルしか登れないのに、自分が7メートル登るなど到底無理だと思っていた。

マツナガ
マツナガ

Aが無理なら絶対無理だ・・・・。

     

悪いことに、この日は雨が降っていて、手袋が滑ってしまい全然登ることができない。

1メートルくらい登ったところで動けなくなってしまい、自分の体重を支えるだけで精一杯になってしまった。

教官
教官

オラー!!早くしろこのナマケモノ野郎!!!

    

なんと教官はチロリアンの時の罵声を憶えていた。

今考えると笑えるが、当時は必死でやっている。

必死でやっているのだが、1メートル登るのが限界だ。

腕に力が入らなくなってくると、自分の体重が全てかかった命綱が胴体に食い込んでくるので吐きそうになってめちゃめちゃ辛い。

本当に、あばら骨が「バキバキ」いいそうなくらい締め付けられる。

マツナガ
マツナガ

ま、まだ行けまーす!!!!!!

(うう・・・・もう無理・・・・)

    

精一杯虚勢を張るが、登れないのはもう明らかだ。

しかし、その登れない体勢のまま1分以上は放置されていた。

マツナガ
マツナガ

ぐぐぐ・・・・

     

さすがにもう無理だと思ったのか、教官が降ろしてくれる。

教官
教官

「お母さん助けてください」と言えば降ろしてやる!!!!

      

     

マツナガ
マツナガ

お、お母さん助けてください・・・・・・・・。

        

ちなみに、自分のクラスでは最初の訓練で40人中5人程度しか自力登はんを7メートル登りきることは出来なかった。

訓練日誌(6月〇日)

今日の午後の訓練ではフットロック登はんと自力登はんを行いました。雨という悪条件の中での訓練でしたが、教官は「悪条件の中での訓練はラッキーと思え。」と言っていました。あえて条件が悪い中でやることで現場対応の訓練ができるということだと思います。

フットロック登はんは2回登ることができましたが、自力登はんは1m程度しか登ることができませんでした。他の登っているクラスメイトを見て、大変情けない気持ちになりました。

降下訓練

出典:訓練時の安全管理マニュアル(消防庁)

降下訓練とは、ビルの屋上から降下してベランダなどから建物に進入する技術などを習得するために行う訓練だ。

私の消防学校での降下訓練は、訓練棟の6階(地上18メートル)と10階(地上30メートル)から降下するという内容だった。

自分は渡過訓練に比べれば、高所だからと言ってそんなに恐怖感はなかった。

恐らく、姿勢とブレーキさえしっかりしていれば、重力に任せて勝手に降下できるので体力的には容易ったからだろうと思う

この降下訓練だが、皮手袋を二重にして行う必要がある。

なぜなら、ブレーキをかけながら徐々に降下していくときに、右手に半端じゃない摩擦がかかって火傷してしまうからである。

二重の皮手袋ぐらいでは気休めなんじゃないかというくらいに熱い。

左手で姿勢の制御をし、右手でロープを握りながらブレーキを掛けつつ下に降下していく。

しかし、上手にブレーキを掛けられないと、

マツナガ
マツナガ

あちちちちちち!!!!!!

      

と、右手が大惨事になってしまうので注意が必要である。

ちなみに、クラスメイトの中には手にでっかい水ぶくれができるほど火傷してしまった者もいた。

訓練日誌(6月〇日)

今日の午後には降下訓練がありました。訓練棟の6階・10階から1回ずつ降下したのですが、高所の割にはあまり恐怖感はありませんでした。救助隊にならなかったら、自分の人生で最後の効果になるかもしれないと思い、心に刻み込んで降下しました。所属消防本部に帰ってからは、地上30メートルでの高所で行う訓練はできないかもしれません。消防学校でしか経験できないことは、今のうちにやっておきたいと思います。

まとめ

ということで今回は「渡過・登はん・降下」の三種類の救助訓練について紹介しました。

次回は、いよいよ本格的な複合訓練である「消防活動訓練」の解説をする予定です。

6月の消防活動訓練の記事です👇

この記事が、消防士になりたい人や、これから消防学校に入校する人、消防学校の生活に興味がある人などの参考になれたら幸いです。

といったところで今日は終わりです。

本日の記事はいかがだったでしょうか?

それでは、また次の記事でお会いしましょう!