こんにちは!マツナガです!
この記事では、私が20年ほど前に消防士に某消防本部の消防士に採用され、某都道府県の消防学校に入校して卒業するまでの7か月間を、当時の訓練日誌などの内容を基に記載していこうと思います!
今回は、6月中の消防活動訓練で行われる、想定訓練・連結送水管・ホースカーを使った訓練の内容について、具体的なエピソードを交えながら解説していきたいと思います!!
消防士になりたい人や、これから消防学校に入校する人、消防学校の生活に興味がある人などの参考になれたら幸いです。
それでは、早速やっていきましょう!
・消防士になりたい人
・消防士に内定していて、消防学校に入校が決まっている人
・消防学校の生活に興味がある人
前回の記事はこちら👇
消防学校に持っていくべきアイテムはこちら👇
目次
必要技術レベル ☆4
6月中の消防活動訓練の概要は次の3ポイントだ。
- 建物に設置されている消防用設備「連結送水管」を使う訓練がある。
- 実際の火災を想定した訓練がある。
- ホースを伸ばす「ホースカー」を使用した訓練がある。
消防車に積載された様々な資機材、建物に設置されている消防用設備を使って活動を行い、かつ実際の火災を想定した訓練を行うという内容になっている。
6月の消防活動訓練では、ほぼ実際の現場での活動に近い訓練を行うようになるのが特徴である。
連結送水管
【連結送水管】とは、消防隊の活動を支援する消防用設備である。
・7階建て以上の建物
・5階建て以上で、延べ面積6000平方メートル以上のもの
基本的には、上の2つの建物を憶えておけばOKだ。
階数が高い建物だと、階段を登ってホースを伸ばしていくのが非常にしんどい。
連結送水管を消防ポンプ車に繋げば、上の階の放水口まで水が行くので、その放水口にホースを接続すれば水が出るという非常に便利なものだ。
6月中はこの連結送水管を使用した訓練を行うのだが、この訓練方法が鬼畜だった。
訓練前日のこと・・・・。
明日の連結送水管を使った訓練には、全員携帯電話を持参すること!
(なんで携帯持参なんだろう・・・?)
消防活動訓練なのに、なぜか学生全員が携帯電話を持ってくることを指示された。
この時は「隊員間で携帯で連絡をとって、無線の代わりにするのか?」などと考えていた。
とんでもない間違いだったが・・・
そして訓練当日!
お前たち、携帯は持ってきたな?
日直、全員分の携帯を集めて放水口の前に置け!
は、はい!
な、何ィ~~~~~!?
今日はお前たちに、水損防止の大切さを知ってもらうぞ!
【水損防止】とは、消火活動をするときの放水による損失を防ぐことだ。
特に、水は下に流れるので、火災が発生した階の下階の水損などに注意を払う必要がある。
・マンションの火災で、放水のため火災室以外の部屋も水浸しになってしまった。
・オフィスの火災で、放水により重要なデータを保存したパソコンが水浸しなってしまった。
・火災が発生した場所の下の階まで水浸しになってしまった。
放水口にホースを接続する時や、片付ける時に少しでも水がこぼれてしまえば、自分たちの携帯が水浸しになってしまう!
お、俺たちの携帯を守るぞ~~~~!!!!
うおおおおおおおぉぉぉ!!!!!
訓練では、水をこぼさないようにめちゃめちゃ慎重に活動した。
自分たちの携帯という人質を取られて、身をもって水損防止を学んだのだった・・・・。
想定訓練
基本的な消防活動訓練についてはこちらの記事👇
想定訓練とは、実際の火災を想定して消防活動を行う訓練である。
出場指令→防火衣着装→消防車に乗車→出場→現場到着→活動開始
という一連の流れを行う。
5月までに行ってきた基本的な訓練とは違い、実際の出場の流れを訓練するので、気を付けなくてはいけないポイントが多く出てくる。
例えば、4月に行った基本的な空気呼吸器の着装訓練では、空気呼吸器は屋外にそのままボンと置かれているし、周囲も広いので着装はとても簡単だ。
空気呼吸器着装訓練についてはこちら👇
しかし、実際の出場では、広い場所で空気呼吸器を着装できるわけではないので、各隊員独自の工夫がとても重要になってくる。
自分は、車内で空気呼吸器を着装すると窮屈で他の仕事ができないため、現場に到着して消防車を降りてから空気呼吸器を着装していました。
落ち着いて着装できるよう、色々工夫して自分のスタイルを確立するための訓練を繰り返すと良いです。
・防火衣は着装しやすいようにセットされているか。(あらかじめズボンに長靴をセットしておくなど)
・空気呼吸器を狭い車内で迅速に着装できるか。(消防車に乗る前にさっさと着装してしまうなど色々工夫する)
・携帯型無線機を携行できているか。(無線を忘れると指令が聞こえないので何もできない。悲惨)
・火災現場近くの消火栓の位置を把握しているか。
・工事中などで通れない道路はあるか。
・狭くて消防車が通れない道はあるか。
・緊急走行中、車載のマイクで一般車両へ「消防車右へ曲がります!停止してください」などの注意喚起ができているか。
想定パターンは数種類あり、いろいろな状況が設定されている。
これらの状況の中から、教官が選択して、
今日は想定訓練Aをやるぞ!
という形でその日に行う想定が決まる。
・1階から出火
・玄関が施錠されている。
・1階窓から進入して消火活動に入る。
想定訓練Aはオーソドックスな内容だ。
1階の台所から出火しており、玄関が施錠されているので窓から屋内に進入して火点を消火する。
・2階から出火
・玄関が施錠されている。
・2階ベランダに三連はしごをかけて、窓から進入して消火活動に入る。
想定訓練Bは少し複雑だ。
2階から出火しており、玄関が施錠されているので、三連はしごを使用してベランダから進入する必要がある。
三連はしごをベランダにかけたら、ベランダの窓から進入して火点を消火する。
三連はしごの取り扱い訓練についてはこちらの記事👇
この想定訓練で、1つ忘れられない出来事がある。非常に危険だった想い出だ。
自分が建物内で進入する放水長役をやっていた時のことである。
内部に進入して、放水を始めたとたん、手が滑って筒先を落としてしまったのだ。
あっ!!!!!!!
と思った時にはすでにときは遅く、ものすごい勢いで筒先が暴れまわる!
放水されている筒先は、ちゃんと抑えておかないと凶器そのものだ。筒先自体が四方八方暴れまわって収拾がつかないことになる。
あぶないよマツナガさん!!!
この時は、とっさにAがホースを抑えてくれたので、なんとか立て直すことができた。
これから消防学校に入学して消防活動訓練を行う人は、絶対に筒先を手から離さないように気を付けてほしい。
ホースカー延長
ホースカーとは、消防車の後方に収納されている機械で、火災の際にホースを延長する時に使う。
電動式で、手元にあるアクセルを操作することによって自動で動かすことが可能だ。
消防学校で最初に行うホース延長訓練のように、手で伸ばすこともあるが、実際の消防の現場ではホースカーでホースを延長することのほうが圧倒的に多い。
・バッテリーが充電されていないと使えないので、常に電池残量を確認すること。
・消防車へ収納する時に、そのホースカーのクセ等によってコツが違うので、収納訓練を行うこと。(でないと火災現場で収納できずに恥ずかしい思いをすることになる。)
・2番員がホースを取ったことを確認してから発車すること。
私はホースカーの収納がめっちゃ苦手でした・・・。
ホースカーのクセをつかめるように何回も練習しましょう。
今回の記事では、6月中に行われる消防活動訓練について解説しました!
6月の消防活動訓練についてまとめると、
- 建物に設置されている消防用設備「連結送水管」を使う訓練がある。
- 実際の火災を想定した訓練がある。
- ホースを伸ばす「ホースカー」を使用した訓練がある。
ということですね。
6月になってくると、各訓練も複雑になってきます。
自分にできないことが出てきて不安になる時もあると思いますが、全てを完璧に憶えられなくても、現場で必要な時に再度練習するので安心してください!
次の消防学校の生活は、7月編その①です。酷暑の中の体育訓練を取り上げたいと思います!
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消防学校の一日のスケジュール、食事内容、お風呂・売店などの施設関係のまとめ記事はこちら👇
消防学校の生活4月~6月についてはこちら👇
消防学校の生活7月~10月についてはこちらの記事を参照してください。
👉 【まとめ記事】消防学校の生活7月~10月編まとめ!【応用訓練から卒業まで】
といったところで今日は終わりです。
本日の記事はいかがだったでしょうか。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!