【高卒・大卒関係ナシ】消防士の出世コースを解説【昇任試験と派遣が重要】

マツナガ
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こんにちは、マツナガです!

    

今日の記事では、消防士の出世コースについて詳しく解説していきたいと思います。

結論から言いますと、消防士の出世に高卒・大卒等の学歴は必要ありません。

警察官のように「キャリア・ノンキャリア」という区分もありません。

重要なのは次の4つのポイントです。

消防士の出世に重要な4つのポイント

昇任試験に合格できるか。ここでつまづいていたらそもそも出世できない。

省庁、関係各機関等へ派遣経験があるか。これが一番重要と言っても過言ではない。

市町村議会担当の部・課等で勤務した経験があるか。市町村議会対応をする部局が一番強い権力を持つ。

出世街道を進んでいる上司の派閥に属しているか。出身地や、いままで勤務してきた部・課などで派閥が形成される場合がある。

上記の重要なポイントについて詳しく解説していきます。

この記事で、消防士として出世コースを歩むにはどのようなポイントが重要なのかわかります。

それでは、さっそくやっていきましょう!

消防士にキャリア、ノンキャリアの区別はあるの?

消防士には、警察官のようにキャリア、ノンキャリアという区別はありません!

警察官の場合は国家公務員試験に合格し、警察庁に採用されたキャリア組が都道府県警に幹部として出向するため、都道府県警に直接採用されていわゆるノンキャリア組は出世に限界があります。

しかし、消防士の場合は総務省消防庁の官僚が各消防本部の幹部のポストを独占するといったようなシステムはありません。

マツナガ
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人事交流として、総務省消防庁の官僚・技官が各消防本部に幹部として数年間勤務することはあります。しかし、警察のように都道府県警のトップに君臨するようなことはありません。

後述しますが、そもそも総務省消防庁に採用される官僚・技官の数自体が非常に少人数です。
基本的には消防本部で採用された消防士が、年月をかけて出世していき、消防長(消防本部で一番偉い人)になります。

    

昇任試験に合格できるか

消防士の出世とは、階級を上げることです。

消防士が階級を上げるには、基本的には毎年1回実施される「昇任試験」という試験を受験して合格する必要があります。

試験内容は消防本部ごとに異なりますが、「小論文」「各種法令や一般教養などの筆記試験」「消防隊指揮訓練」「訓練礼式などの指揮訓練」「面接」などを実施します。

一般的な政令指定都市ですと、消防司令までは昇任試験で昇任することができます。ちなみに、東京消防庁だと「消防司令長」まで、大阪市消防局だと「消防司令補」まで昇任試験があるようです。本部ごとにどの階級まで昇任試験があるかは違いがあります。

冒頭でも説明しましたが、基本的にはこの昇任試験に合格すれば階級を上げることが出来るので、消防士の出世に学歴は必要ありません。

マツナガ
マツナガ

「学歴」は必要ありませんが、昇任試験に合格できる「学力」が要求されるという結論ですね。

       

基本的には昇任試験に合格すれば出世していくのです・・・・・が。

昇任試験で合格できる上限の階級まで達した後の出世は、他の要素が非常に多く必要なのです。

30代前半で消防司令補に昇任すると、こんなことを言ってくるベテラン消防士のおじさんが良くいました。

ベテラン消防士おじさん
ベテラン消防士おじさん

そんなに若いのにもう司令補か!将来は消防長だな!

     

はっきり言って消防士の出世に関してなんにも分かってないですね。

所属している消防本部によりますが、階級でいうと消防司令~消防司令長以上の階級は昇任試験以外の要素が無いと出世していくことはできません。

逆に言うと、昇任試験で何回もつまづいているようでは出世は厳しいです。

出典:京都市消防局

昇任試験により、昇任することができる階級の上限に達すると、その階級以降の昇任は「選考」といって、普段の勤務実績などを評価されて昇任することになります。

では、「選考」とはどのようなポイントが重要になってくるのか、それをこれから解説します。

昇任試験・消防士の階級については、こちらの記事も参照👇

階級ごとの消防士の給料・年収についてはこちらの記事を参照👇

省庁、関係各機関等への派遣経験はあるか

昇任試験以外ではどういった部分で出世が関係してくるのか?

答えは派遣経験があるかどうかです。

昇任試験に合格しただけでは、それ以上の出世コースに上るのはなかなか難しいです。

相当頑張れば副署長くらいにはなれるかもしれませんが、それ以上の消防長、部長、方面本部長、署長、参事クラスを目指すのであれば派遣の経験は絶対必要条件です。

消防以外の関係機関に派遣されて、外の世界を経験した人物でないと上には登れないということですね。各関係機関で人脈を作ってこいという意味もあると思います。

では、どういったところに派遣されると良いのかを解説します。

注意
この章で紹介した以外の派遣先もちろんあり、所属消防本部によって変わってきます。ただ、総務省消防庁が派遣先として最も格上という認識は全国共通でしょう。

総務省消防庁

派遣先として最も格が高いのは総務省消防庁です。

霞が関駅直結で、中央合同庁舎2号館の3階が総務省消防庁です。

消防庁は総務省の外局で、日本の消防行政の企画・立案、各種法令・基準の策定などを行っています。

職員数は200名弱ですが、そのうち2割程度が国家公務員試験を突破した官僚及び消防庁採用の技官、残りの8割は全国の各消防本部から1~3年の期間限定で派遣された消防士で構成されています。

地方公務員である消防士ですが、この派遣期間だけは消防庁長官から辞令をもらい「総務事務官(=官僚)」として勤務します。

官僚という言葉の定義は色々ありますが、消防行政に係る法令、通知等を起案し、政策決定に影響力を与える立場になるという観点から言えば、派遣の消防士であっても間違いなく「官僚」と言えます。

日本の中枢である霞が関で勤務し、消防行政を左右できる立場として派遣されるので、派遣先としては最も格が高い(=出世に直結する)ことになります。

また、総務省の官僚、消防庁採用の技官、全国の消防本部の職員と人脈ができるという点が非常に大きいですね。顔なじみになれば、行政上の疑問点も聞くことができます。

消防庁では、派遣される課によりますが、国会期間中などは終電過ぎまで残業してタクシー帰りなどはザラです。

また、全国のどこかで強い地震や大雨などの災害があった場合は、深夜休日関係なく霞が関まで呼び出されるので、体力的にも精神的にも辛いです。

派遣されれば出世間違いなしですが、残業がキツイことで有名なので、派遣を希望する消防士は意外と少ないです。

消防庁に派遣される人数は、東京消防庁で30名程度、政令指定都市は数名程度、中規模~小規模本部は1名というかたちです。

マツナガ
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私が所属していた消防本部でも、消防庁派遣はあまり人気がありませんでした(笑)
行けば出世確定ですがね。

       

全国消防長会・全国消防協会

ここからの派遣機関の格はほぼ同列かと思います。

全国消防長会と全国消防協会も、全国の各消防本部からの派遣者で運営されているので、派遣されれば全国の消防職員と人脈ができます。派遣期間は2年です。

消防庁、全国消防長会、全国消防協会の派遣者は、年に1回懇親会があります。

全国消防長会は、全国にある724消防本部の消防長で構成されています。ここの事務局に派遣があります。
業務としては、消防関係情報の共有や、法令改正がある場合は現場の課題・要望等を消防庁に伝えたりします。

全国消防協会は、消防職員の技術、知識の向上のため、全国消防救助技術大会事業や消防機関紙「ほのお」の発行などの事業を行っています。

日本消防設備安全センター・危険物保安技術協会

危険物保安技術協会と日本消防設備安全センターも派遣期間は2年です。

危険物保安技術協会(KHK)は、全国の屋外タンク貯蔵所などの審査・検査業務をメインにしている団体です。
派遣者は全国に飛び回り、各地の屋外タンク貯蔵所の審査、検査業務をこなします。ここに派遣されると全国出張が非常に多いので、忙しい反面非常に楽しいようです。

派遣されれば、所属消防本部での危険物畑で出世しやすくなるでしょう

日本消防設備安全センターは、消防用設備等の性能を担保する認定業務や、消防用設備等点検制度に係る点検資格者の養成などを業務としている機関です。

こちらに派遣されれば、所属消防本部の予防畑で出世しやすくなるでしょう。

各都道府県の消防学校・救急振興財団等

各都道府県の消防学校、救急振興財団も派遣期間は2年間です。この2つの機関では、両方とも教官として派遣されます。

消防学校は、新任消防士や消防団員の研修機関です。

消防学校の教官は、都道府県の職員の場合もあるのですが、ほとんどの教官が各消防本部からの派遣です。

救急振興財団は、消防機関の救急救命士を養成するために設立された機関です。

救急救命士の資格を持っている場合は、救急振興財団が運営する研修所での教官として派遣される場合があります。

消防学校の生活についてはこちらの記事を参照👇

市町村議会担当の部・課等で勤務した経験があるか

最近でこそ広域化してきましたが、基本的に消防本部は市町村ごとに運営しています。

そして、市町村の地方公務員というのは地方議会の議会対応を行う部局が必ずあります。

その市町村の政策や、市民からの陳情などについて、市町村議会の議員先生が消防本部に質問してくる場合があります。

消防長が市町村議会の議会の答弁に立つ場合もあるので、議会関係事務の連絡調整を行う部・課で勤務した経験は、間違いなく出世に直結します。

消防本部の組織で市町村議会関係を担当しているのは「総務系」の部・課になりますので、こういった部局に配置されたら、昇任の際に当然考慮されるでしょう。

基本的に消防長の「お膝元」である総務系の部・課に配属されたということは、組織からは「不祥事は起こさなそうな人間だ」「協調性があり、他の人間と対立したりしない性格だ」と認識されていると言えるでしょう。

マツナガ
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将来的に部長以上の幹部になった場合は、市町村議会の答弁に立つ可能性があるので、部長以上に昇任する場合は「議会担当」の部局への在籍経験は必須です。

     

出世街道を進んでいる上司の派閥に属しているか

あなたが20~30代でこれから出世しようと思っている場合は、その時の幹部(署長、部長、参事、消防長)と仲良く懇意にしていても、あまり将来の出世には関係ないでしょう。

なぜなら、現在の幹部はあと数年で退職してしまうので、職場で影響力が無くなるからです。

出世を目指している場合は、自分より10才程度までの年上で、現在係長、課長補佐としてバリバリ活躍している上司と懇意にしていると、将来的に引っ張ってもらえる可能性がありますね。

マツナガ
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具体的には、その上司が「若くして昇任試験を突破しているか」「派遣経験があるか」「議会関係の仕事をしているか」などで判断できますね。

     

ここで言う「懇意にする」とは、媚を売るということではありません。

その上司の部下として勤務し、「この部下は仕事ができる人だな」「この部下は信頼できる人柄だな」と、上司の信頼を勝ち取ることを言います。

「上司が将来的に人事権を掌握したときに、一緒に働きたいと思える部下になる。」のが出世の近道です。

「昇任試験」の章でも書きましたが、消防士は一定以上の階級に昇任するには試験ではなく、普段の勤務成績や経歴を考慮して昇任する「選考」となります。

上司からの評価が直接昇任に影響するということです。

その上司が署長、部長、参事、消防長などの幹部になったら、直属の部下として、昇任させて呼んでもらえる可能性があります。

上司も人間ですので、自分が働きやすい人と働きたいでしょう。当然、後事を託す時も信頼できる人物に任せたいと思うはずです。人事権を行使できる立場になったらなおさらですね。

オマケ:救助隊は出世コースではない

消防の花形の救助隊はもちろん出世コースだよね!

    

というように思っている人がいるかもしれませんが、救助隊は出世コースではないです。

ここ2年程度は新型コロナウイルス感染症の影響で開催されていませんが、救助隊では「救助技術大会」といって、全国・県・市町村単位で大会があります。

全国消防救助技術大会👇

全国消防救助技術大会|全国消防協会 (ffaj-shobo.or.jp)

救助技術大会では色々な種目があるのですが、チームを組んでいる場合だと、昇任試験を受けづらくなる場合があるのです。

一般的には昇任試験に合格すると異動することになります。

消防救助技術大会で勝ち抜くためには、なるべく同じメンバーで何度も練習・訓練を続ける必要があります。

それこそ、数年単位で同じメンバーで技術力・チームワークを高めていかないと、救助技術大会では勝てないのです。

ということは、合格すると異動が発生する昇任試験を受験しにくい空気になるわけです。

マツナガ
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昇任試験を受験しなければ、3~6年程度は異動しないですからね。

      

そんな空気関係ないよ!種目のチームに入っていても昇任試験受けよう!

     

というような鋼のメンタルを持っている人には関係ないかもしれませんが、参考情報として追記しました!

まとめ

今日の記事では、消防士の出世コースについてまとめました!

消防士の出世に重要な4つのポイント

昇任試験に合格できるか。ここでつまづいていたらそもそも出世できない。

省庁、関係各機関等へ派遣経験があるか。これが一番重要と言っても過言ではない。

市町村議会担当の部・課等で勤務した経験があるか。市町村議会対応をする部局が一番強い権力を持つ。

出世街道を進んでいる上司の派閥に属しているか。出身地や、いままで勤務してきた部・課などで派閥が形成される場合がある。

マツナガ
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昇任試験以外にも、様々な要素があって出世が決まります!

     

といったところで今日は終わりです。

本日の記事はいかがだったでしょうか?

それでは、また次の記事でお会いしましょう!

消防士の一日のスケジュールについてはこちら👇